2024.04.25 BeautyAndHealthMomokoYoshida美容・健康

眼精疲労を起こしていませんか?~自律神経ともかかわる目の疲れ、放置せず日頃から対策をして目の健康を保ちましょう~ 【吉田管理栄養士】

現代ではスマートフォンやパソコンが日常生活に欠かせないものとなり、仕事や学校、プライベートと、どの場面でも使われる機会は多いですよね。
目の疲れ方も昔とはかなり変わってきていると思います。
昔からテレビやゲームは離れて見るようにと注意を受けたりした方もいらっしゃるかと思いますが、今はどうでしょう。PCやスマートフォンとの距離はテレビよりもはるかに近く、姿勢による問題も出てきているのではないでしょうか。
ドライアイ、眼精疲労、肩こり、頭痛などお悩みの方も多いかと思いますので、今回は大切な目を守るために気を付けること、必要な栄養素などを解説いたします。



眼精疲労とは
目の疲れだけにとどまらず、目以外の全身に不調や病気などの影響が現れていることを眼精疲労といいます。目の疲れだけであれば疲れ目や眼疲労といった言葉が使われますので、区別しておきましょう。
 
 
疲れ目や眼精疲労により起こりやすい症状

 
疲れ目や眼精疲労を起こす原因
◆近くのものを見続ける(目を酷使する)
遠視・近視・乱視などがあるのに視力矯正をしていない、または正しく矯正されていないなど)
物を見る時には、毛様体筋という筋肉が伸縮し、ピントを調整しています。近くのものを見るときは毛様体筋が収縮し、逆に遠くのものを見る時は毛様体筋が緩みます。この伸縮は自律神経によってコントロールされているため、毛様体筋の緊張が続くことで自律神経のバランスが崩れて、全身に様々な症状が出るといわれています。
疲れ目が進行した状態をいいますが、それ以外にも病気や精神的ストレスなどから眼精疲労を起こしてしまうケースもあります。
 
◆ドライアイなどにより角膜に傷がついている
涙液が少なく目が乾燥してしまうと、涙にはバリア機能もあるため、バリア機能が十分に発揮できず目の表面(角膜)が傷つきやすくなります。そうすると目がしょぼしょぼしたり、かすんだりと目の疲れの原因となります。
ドライアイの原因は、空気の乾燥、コンタクトレンズの使用、瞬きが少ない、VDT症候群※1などがあります。
 
1VDT症候群(VDTvisual display terminal:画面表示端末)
パソコン、スマートフォン、タブレット、テレビなどの情報端末を長時間使用することにより、目の疲れや眼精疲労だけでなく、腕や背中の痛み、だるさ、手指のしびれなど身体の不調、イライラ、不安、食欲不振、抑うつ状態、不眠など精神などにも影響が出る病気のこと。
 
他にも紫外線や眩しい環境、風があたる環境、体や心の病気などによって眼精疲労につながることがあります。
 

 
 
疲れ目、眼精疲労の対策
疲れ目、眼疲労は一過性のものですので、誰でも日常で感じることがあり、しっかり休み、十分な睡眠をとることで改善できますが、眼精疲労となると症状が慢性化し、なかなか治りにくくなってしまいます。
パソコンやスマートフォンを使っている以上は眼疲労しているものだと思い、日頃からケアし、疲れをためないようにし、眼精疲労を起こさせないことが大切です。
 
 
◆生活でのケア
PCやタブレット、スマートフォン作業中に気をつけること  
PCと目の距離を40cm以上にする 背筋を伸ばし猫背にならないようにする 
・画面が明るすぎないように調整(PC用メガネを使用するのも
・こまめに目を休憩させる(30分~1時間以上PCを見続けない)
・景色や遠くのものを見て毛様体筋を緩める
・瞬きを意識的に行う
 
日常的に気をつけること
・日中は明るすぎたり暗すぎたりする環境下に注意
・スマートフォンを見る姿勢や家事、育児などうつむく姿勢に注意
(スマホ首になると凝りだけでなく自律神経にも悪影響)
・目を乾燥させない(目薬や加湿器の使用、エアコンや扇風機の風向きに気をつける)
・蒸しタオルやホットアイマスクで目まわりを温め緊張をほぐす
・ストレッチやマッサージなどをこまめに行い全身の血流を良くする
 
 
◆食事でのケア
目の健康に役立つ栄養素 
 
・アントシアニン
抗酸化作用、抗炎症作用などが期待でき、AGE減少にも良いといわれます。
目に良いというのは有名かと思いますが、紫外線などの光ダメージから目を守る働きや、ロドプシン※2の再合成を助けることで視覚機能の改善や疲れ目予防に役立つといわれています。
 
※2ロドプシン
目の網膜に存在するたんぱく質。光によって分解され、脳に視覚信号を伝える。
目の使い過ぎや加齢によってロドプシンは減少するため、見えにくくなったり目がぼやけたりなど視覚に影響することがある。
〈ブルーベリー、ビルベリー、ブドウ、カシス、プルーン、黒豆、黒ゴマ、紫芋、黒米、ナスなど〉
 
・ルテイン
水晶体や黄斑部分に存在し、光の刺激による酸化、老化などのダメージから目を守る働きがあります。
とくにブルーライトは黄斑部にまで届くといわれ、目の奥にまで刺激を与えるといわれているため、ブルーライトからのダメージを軽減するためにも大切な成分といえます。
また、黄斑は老化で変質してしまう(加齢黄斑変性症)と視野が欠けたり歪んだりする症状につながりますが、その予防にもルテインはおすすめです。
〈ほうれん草、小松菜、モロヘイヤ、ケール、よもぎなど〉
 
・カルノシン
イミダゾールペプチド(二つのアミノ酸がつながったもの)の一種で、人や動物の筋肉、脳脊髄液、眼球内液中などに存在します。活性酸素を抑制しアンチエイジング、疲労回復、運動機能向上、糖化防止、脳機能向上、美容などに役立ちます。
これらは体全体に期待できる効果ですのでもちろん、目の酸化予防、疲労軽減にも良いといえます。
〈牛肉、鶏肉(とくに胸肉)、豚肉などの肉類〉
 
・アスタキサンチン  
高い抗酸化力があり、紫外線による炎症、網膜症や白内障などの予防に役立つほか、血流促進作用や筋肉疲労軽減により目の疲労軽減や、ピント調整の改善などの効果が期待できます。
〈鮭、えび、かに、いくらなど〉
 
・オメガ3脂肪酸(DHA)…   
視神経や網膜に多く存在し、視神経や網膜の機能サポートなどが期待できるほか、視力低下やドライアイの予防、脳機能向上などにも役立つといわれています。DHAはとくに目の健康に良いとされていますが、DHAを含めオメガ3脂肪酸は血栓予防、生活習慣病予防、アレルギー抑制、抗炎症などにも良いとされている栄養素です。
〈さんま、いわし、かつお、さば、えごま油、あまに油など〉
 
他にも
ビタミンA…〈卵、レバー、うなぎ、人参、かぼちゃ、のりなど〉
ビタミンB〈豚肉、鶏むね肉、あさり、しじみ、玄米、にんにく、バナナ、アーモンドなど〉
ビタミンC…〈パプリカ、じゃがいも、いちご、キウイ〉
など、ビタミン類も目の健康には欠かせない栄養素です。
 
また、薬膳では明目(疲れ目やかすみ目、視力の不調などに良いとされる)の食材
〈黒米、ブルーベリーなどアントシアニンを含むもの、クコの実、ミント、山椒、レバーなど〉があります。
疲れ目が気になる方、パソコンやスマートフォンをよく使われる方はとくに、日頃から積極的に摂りいれていきましょう。
 

 
 
 
さいごに
これは私自身が体感したことですが、数か月間何しても治まらなかった目のピクピク(痙攣)が、ある日プラネタリウムに行きましたらピタッと痙攣が治まりました。
偶然かもしれませんが、遠くのものを見るだけで目の緊張をリラックスさせることができるのだと実感しましたし、実際にプラネタリウム(星空観察)はリラックス効果や視力回復に良いといわれているようです。
街中の空は明るく、星もぽつぽつとしか見えず、きれいな星空を日常で見られない方は多くいらっしゃるかと思います。そういう景色の中にいる方ほど、目も疲れやすく眼精疲労を起こしやすのではないでしょうか。
疲れたときほど、しばらく星空を眺めてみたり、プラネタリウムの力を借りてみて目をリラックスさせることをおすすめします。
もちろん目の様々な不調には病気が隠されている場合もありますので、定期的に眼の検診を受け、不調を感じたときは医師に相談しましょう。
 
原因がわからない現代人の不調は、VDT症候群にかかっている方も多くいらっしゃるかと思います。パソコンやスマートフォンはとくに仕事上でも私生活上でも手放すことは難しいですが、これらが不調の原因のひとつになることを知り、甘く見ず、少しでも対策を意識していくことで病気を予防し、大切な目をしっかり守っていきたいですね。
 
 
吉田 桃子/Momoko Yoshida
管理栄養士 
くらし薬膳 栄養アドバイザー