
冬の免疫UP食材 ~長ネギのパワーをフル活用 ~[吉田管理栄養士]
冬に欠かせない汁物や鍋物、そこに欠かさず加えたいのが長ネギです。 定番食材でもあり、なんとなく身体に良いことは知っているという方も多いと思います。 今回は長ネギの特徴を知って頂き、上手に余すことなく使っていって頂きたいと思います。
ネギに含まれる特徴的な成分
・硫化アリル(体内に入るとアリシンに変化)
ネギ、にんにく、ニラ、らっきょうなどにも含まれ、独特な香りの成分でもありますが、実に沢山の効果があるといわれています。
-アリシンの期待できる効果
ビタミンB1の吸収を高める働きがあります。ビタミンB1は糖質からのエネルギー代謝に深く関わるため、ダイエットや疲労回復につながります。ビタミンBが多く含まれる豚肉や玄米などと一緒に摂ることで、効率よく栄養素を摂り入れることができます。
アリシンには他にも血行促進、活性酸素除去、血栓予防、抗菌作用、抗がん作用などがあるといわれておりますので、冬時期、冷え体質、風邪をひきやすい方などに積極的に摂って頂きたい成分です。ただ熱に弱いため、汁物や鍋に入れる場合はそれとは別に薬味として用意しておくのもおすすめです。
・フルクタン(ヌルやナメ、アンなどとも呼ばれます)
長ネギの葉の内側の白いぬめり成分ですが、これは外部のばい菌や害虫などから守るためのもの。私達にとっても、嬉しい栄養素が豊富ですので青い葉の部分までしっかり頂いて、ぜひこの恩恵を受けていきましょう。
-フルクタンの期待できる効果
免疫細胞の活性化で風邪、インフルエンザ、がんなどの予防などに役立ちます。
またフルクタンは水溶性食物繊維なので、血糖値上昇を緩やかにしたり、腸内環境を整えることにも役立ちます。腸内環境を整えておくことは代謝UP、免疫力UP、美容にもつながります。
他にもカロテン(ビタミンA)やカルシウムなどの栄養素も豊富に含まれます。
葉の部分は固く食べにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これらの成分は比較的熱に強いので、煮込んで食べやすくしても良いですね。
ネギの良いところを挙げましたが、もちろん不向きな方もいらっしゃいます。
ネギ全体としては不溶性食物繊維が多く含まれ、お通じに良い反面、消化があまり良くなかったりします。また硫化アリルは胃腸が弱い方には刺激が強すぎてしまったり、匂いが強く、場面によっては口臭が気になってしまうことも…
そんな時は食べる量に気を付けたり、水にさらしたり、加熱をして硫化アリルの力を抑えていくと良いですね。
この食材が良いと聞いたからといって極端に摂りすぎるのではなく、体質や体調に合わせて、上手に摂り入れていきましょう。
さて、これらを踏まえた上でおすすめしたいのが、ネギを含めお野菜やたんぱく源を入れた具沢山の汁物やお鍋です。
汁物や鍋物は、溶けだした栄養成分も摂ることができ、身体を温めることができる素晴らしいお料理です。一品で十分にバランスをとることも可能ですし、代謝UPにもつながります。
冬のファッションは体型が隠れやすく、油断しがちですが、脱いだらすごいなんてことにならないように、ぜひ汁物や鍋物を活用していってください。
お料理が苦手な方は、簡単な具材や作りやすくカットされたものを使用されても良いです。インスタントやレンチンするだけのできたものより、ご自分で手を加えることで身体に優しい食事に近づきます。
もちろんお料理が得意な方や趣味な方は、アレンジがいくらでもきく料理なのでワンランクアップ目指しても良いですね!
泥つきのお野菜を選ぶ、オーガニック食材を皮ごと使う、お出汁や調味料にこだわる、などしていくと、より体に優しく、栄養素をたっぷり摂り入れることができます。
また、ごまやしょうが、唐辛子、ゆずなど、簡単に加えることができる薬味や香辛料なども摂り入れていくと、さらに巡りUPメニューになっていきます。
余った次の日は豆乳を加えたり、キムチ味に変えたり、二度楽しむ方法もありますね。
お料理はご自分の体調や一緒に食事をする人のことを考えて、できる範囲で楽しんでいきましょう。
そしてこれからもっと厳しくなっていく冬を健康的に乗りきりましょう。
吉田 桃子 / Momoko Yoshida
管理栄養士
くらし薬膳 栄養アドバイザー